今年最後のBookClubは、西原理恵子さんの「ぼくんち」を読みました。4人が集まり、作品へのさまざまな思いを楽しく話し合えた時間になりました。こんなハードな「ぼくんち」の世界は実際にあるのだろうかという驚きや、登場人物のひとりのこういち君の狂暴さと繊細さのゆらぎに引き込まれるといった感想や、ともすれば悲惨な内容を、西原さんならではの視点で同情を求めたり問題提起をせずに生きる痛みを伝えられているという意見もありました。
作品に対するそれぞれの見方や考え方を話し合ったことにより、タイトル「ぼくんち」とは、私が思う以上にもっと広大な範囲のものだったのだと気がつきました。一人で読むと分からないことや読み流していたことが、語り合いでより深くなる面白さがありました。来年またどんな本との出会いがあるのか、楽しみです。(K)